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当校の帰国子女コースは15段階にレベル分けがされており、新規入学の際に、どのレベルを選択したら良いか分かりにくいと思います。新規入学の際には、体験レッスンにご参加して頂くか、若しくは実際のクラスをご見学頂いた後で、当校スタッフがレベルについてアドバイスさせて頂きます。このセクションでは、レベルのアドバイスを差し上げる時の考え方をいくつかご紹介させて頂きます。
 
 当校の入学案内には対象年が記載されています。例えば、上級1レベルは小学校6年生~中学校3年生が対象学年となっています。何故この様に対象学年に開きがあるかと申しますと、同じ国の同じ州から帰ってきた同学年の生徒様であったとしても、海外の滞在年数や現地校でどのような教育を行っていたかによって対象となるレベルが異なるためです。簡単に説明をすると、小学校6年生で海外の滞在年数が長く(5年以上)、また現地の小学校で英語が得意であった場合には上級1レベルが対象となります。高学年2レベルの対象学年は小学校3年生から小学校6年生となっています。海外の滞在年数が短い、若しくは滞在年数が長くても日本人学校に通われていた方の場合には高学年2が対象レベルとなります。このように、同じ小学校6年生さんであっても海外の滞在年数、また海外の小学校で英語が得意であったかどうかによってご案内するレベルが異なります。
 
 次に具体的な事例として、小学校6年生の方でロンドン在住7年、現地の学校では非常に英語が得意で7thグレードの途中で日本に帰国しました。日本で現在小学校6年生である場合どのレベルを最初にご案内するかについて説明します。この方の場合には滞在年数が長いこと、また現地の小学校で英語が得意であったことを考慮すると通常ご案内するレベルは上級1レベルだと考えられます。ところが、当校では多くの場合最初に準上級レベルをご見学頂きます。これは以下の理由によります。
 
 物事には反射作用があります。例えばテーブルにドリルで穴を開けると穴が開く代わりにドリルの刃は熱を持ちます。帰国子女の方々が日本に帰国された際、多くの場合日本の学習環境に慣れるのにある程度の時間が必要です。今までは、英語が国語でしたので英語が得意であることはアドバンテージとなる訳ですが、日本では英語が出来ることがそれ程お子様にとってアドバンテージにはなりません。それよりも国語が遅れていたり算数が遅れていたりする事の方がお子様にとって苦痛のようです。この遅れは、通常家庭教師などをつけなくても1年程度で克服出来ます。これはお子様には柔軟性があるので、割合と早く日本の学校に慣れる事が出来る為です。
 
 日本の小学校に通われているお子様が、お父様の仕事の都合で初めてアメリカやイギリスの現地校に行く場合、大雑把に言って最初の1年で相手の言っている事が分かる様になり、次の1年でほぼ現地の方と同等に学習が出来るようになります。これとは逆に、海外から日本に帰ってきた場合には、海外に在住していたとしても家では日本語を話している場合が多いので、日本から海外に初めて行かれるお子様と比較して、海外から日本に帰国された方の方が割合と短期間に国語や算数の能力を身に付ける事が出来ます。この一番の要因は日本語が既に話せる為です。
 
 さて、日本に帰ってくると大小はともかくとしてある程度のカルチャーショックを体験します。お子様は柔軟性があるので、確かに国語や算数は短期間で追いつく事が出来るのですが、この反射作用として「今まで一番勉強しなければならなかった英語を話したくなくなる」事がよくあります。簡単に申しますと、日本の教育に追いついていく反射作用として、今まで一番得意だった英語が「日本ではお子様がアドバンテージを感じない為」あまり喋りたくなくなってしまうという事が帰国子女のお子様が日本に帰国した時に起こる反射作用と言えます。
 
 例えば、保護者の方がお子様に「今日は学校で何を勉強したの?」と聞いても「う~ん、算数」と出来るだけ短く答え様とする事にこの反射作用は似ています。その他の例として、帰国間もないお子様が当校の授業に参加した場合にはよく話せるのですが、日本の学校に慣れる事に伴い講師が何か質問をしても、英語ではなるべく短く答えようとする意識が働きます。このピークが帰国後約8ヶ月~12ヶ月となります。従って、喋らなくなってしまう事を克服する為に、上級1レベルが該当レベルであったとしても最初は1つ下のレベルを勧める事で、教材の内容が容易に理解出来るので会話量が増えるというのが当校の考え方です。最初は、ご自分のレベルよりも比較的易しい教材を使う事で、内容を全て把握出来るので、躊躇する事なく会話量を増やす事が出来ます。但し、帰国後1年以上経った方は、逆にご自分のレベルよりも少し高めの教材を使いお子様の語学力を引き上げてあげる必要があります。海外に在住する場合には、周りに英語を話せる方々がたくさんいる為にあまり意識しなくても年齢相応の英語力が身に付きます。但し、日本で学習をする場合には、英語で接する機会が少ないのでお子様のレベルより多少難しめの教材を使用し、お子様の英語力を現状より引き上げてあげる必要性があります。
 
 長くなりましたが、この様な事が基本的な考えで、前述した小学校6年生さんの場合には、最初に準上級レベルをご案内致します。
 
 時々、保護者の方より「海外で飛び級をしていたので、もっと上のレベルに入れないか」等のご質問を頂きます。基本的には、小学校6年生さんの場合、非常に語学力が高い場合であったとしても上級1レベル以上をお勧めする事はあまりありません。これは、どんなに出来る生徒様であったとしても、最初の1年間くらいはあまり英語を喋りたくなくなってしまうので、お子様のレベルよりも多少簡単なクラスに在籍した方が会話量が増える為です。但し、過去に小学生であっても上級2レベルにて学習した生徒様はいらっしゃいますので一例としてご紹介します。この方の場合、帰国された時は小学校5年生さんでした。海外の小学校で5年以上教育を受け、日本の小学校には通った事がありません。海外では、飛び級をして、一部の教科は高校生と一緒に学習をしていました。この方は日本に帰国されてすぐに、力試しの為にTOEICテストを受験しました。TOEICテストの結果は990点中、930点でプロレベルの語学力といっても過言ではありません。大雑把に言って、TOEIC900点以上の方は英語を専門的に使いこなす必要性がある職種に従事する事が可能です。さて、この方の場合に、最初にどのレベルにご入学頂いたかと言いますと上級2レベルです。語学力と単純に比較すると、実際は上級3若しくは研究1レベルが該当レベルと考えられます。但し、年齢を考慮し上級2レベルにご入学頂きました。上級3レベルは、一概には言えませんが英検で言うと1級レベルの学習をします。例えば、教科書の中で「生活上で起こる様々な問題やストレスを解決する方法は男女によって違いますか?」等というディスカッショントピックが紹介されます。生徒様同士で「男性の場合には、意外と問題を誰にも相談しないで自分の中で消化して解決する場合が多い。女性の場合には、人に相談をしながら解決する場合が多い。」等の男女によって「何か起こった問題を解決する時のプロセス」の違いについて話し合います。さて、いくら英語力が高かったとしても、この様な話題に対して小学生の方がディスカッションをするのは難しい場合があります。従って、先程の小学校5年生さんの場合には上級2レベルでスタートをして頂きました。
 
 以上、新規に当校へ入学をする帰国子女の生徒様に適切なレベルをご案内する為の基本的な考え方をいくつかご紹介致しました。


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